Technology

解析技術

セキソーでは、主に、LAMPSというダクト騒音シミュレーションソフトウェアを使っています。このソフトは、イギリスのLoughborough大学で開発されたソフトです。このソフトウェアを使ってポーラスダクトの騒音シミュレーションができるように、韓国の先端科学技術院(KAIST)とLoughborough大学と共同で研究を進めてきました。その結果、他のソフトウェアに比べても十分に精度よくポーラスダクトのシミュレーションが可能になったと自負しています。

吸気系のシステムでは、エンジン性能を効率よく引き出すために、システム内の空気の流れがスムーズになるような形状が求められています。セキソーでは、主にScryuTetraという流体予測シミュレーションソフトウェアを使っています。これを駆使することにより、実際に試作品を作る前に最適な形状を検討することができ、またこれまでの実験とシミュレーション結果を合わせて検討することにより、さらに精度良くポーラスダクト内の空気の流れを解析することができるようになり、製品の開発・設計に役立てています。

セキソーの主力製品の一つである樹脂部品の成形を行なう場合、型の中に流れ込む樹脂の挙動を良く知る必要があります。それは、樹脂の流れが効率よく行なわれるような成形型が、生産性、コスト低減の観点からも強く求められているからです。セキソーでは、モールドフローというソフトウェアを応用し、これらの型設計の際には、もっともよい樹脂の流れ方を解析した上で、樹脂の流し込み口(ポート)位置や最適型締め圧力を検討して実際の生産に応用しています。

吸音アイテムの開発において、シミュレーション技術により、試作レスでそのアイテムの性能を予測することが出来ます。例えば、3次元FEM(Finite Element Method)の音響解析ソフト(ACTRAN)を用いて、図のような吸音構造体の性能を材料単体性能だけでなく、背面の空間を利用した吸音構造物として解析し、音の可視化によりそのメカニズムを解明しました。これらの成果は論文として自動車技術会などの外部機関にて発表しています。(他にも、吸音素材の開発において、吸音材のBiotパラメータから性能予測計算をし、より高性能な材料を目指して開発しています。)